おみこしの窓 〜バンドのあれこれ〜

音楽、バンドに関する様々なアレコレを書いています

夏の終わりに怖い話

幽霊を信じるか、信じないか。人によって意見が割れるとは思うのだけれど、私はどちらかと言うと幽霊は「いる」と信じているたちだ。

 

「いる」とは思いつつも「いたら嫌だな」と思う自分もいる。怖い話は好きだけど苦手でもあり、怖い映像を直視できない私はよく心霊番組を目を閉じながら見ている。全く何が起きているかわからないけど音だけ聞いて「ギャー」と悲鳴をあげている。

 

思うに幽霊と言うのはどれもこれも見た目がおどろおどろし過ぎるのだ。もっとカジュアルかつライトに、ホットパンツを履いた金髪巨乳のフーターズ・ガール風な幽霊ならば私だって喜んで受け入れよう。そんな幽霊がいたらぜひ、私の部屋に住み着いて欲しい。遠慮はいらない。

 

さてさて、そんな私だが周囲には所謂「霊感」を持っている友人が何故か多い。ただその霊感と言うものを持っている人にも程度があって、気配だけ感じる人もいれば、音だけ聞こえる人、実際に見えてしまう人と様々だ。

 

見えしまう人から言わせると、あまりにハッキリと見え過ぎてしまう性で、最初は幽霊だと気づかない事もあるらしい。それにボンヤリと見える幽霊はそこまで怖くないが、ハッキリと目視できる幽霊は危険だとよく聞く。

 

また、霊感があるから怖い体験をする訳ではなくて、霊感がない人でも「幽霊に憑かれやすい」人と言うのは存在するとのことだった。そう言う人は迂闊に心霊スポットに行くと霊を連れて帰ってきてしまう事もあるらしい。イタズラに心霊スポットに近寄ってはいけないと言うのは、こう言う事がよく起こり得るからだと教えてもらった。

 

そんな私の友人の中ではT君と言う男が最も霊感が強い。彼は幽霊が「見える」体質で、これまでも何度か幽霊に遭遇した事があるとの事だ。

 

私が彼から聞いた中で最も印象的だったのは、T君の友人が心霊スポットに住んでいると言う話だ。話を分かりやすくする為に、私の友人で幽霊が見える彼を「T君」。心霊スポットに住んでいる友人を「H君」と呼ぶ。

 

H君の家は巷で噂になる程の心霊スポットだった。と言うのも建屋自体がかなり古く、敷地内に戦時中からある井戸や防空壕が残ったままなので、心霊スポットの様な出で立ちの家と言うだけなのだが。

 

それでもたまに近所の人が夏に肝試しに来ることがある位のおどろおどろしさだったそうな。

 

実際にそこに幽霊はいたのかについて、当のH君自身は「もう何年も住んでるけど別に何も見たことがないよ」と呑気な様子だったが、霊感のあるT君は感づいていたらしい。ここには何かいる...と。

 

ただ何度遊びに行っていても気配は感じるが姿は見えなかった。夜中になると時折、井戸のある方の窓から刺す様な視線や呻く様な声が聞こえるが、ただそれだけ。霊感のあるT君でもその程度にしか感じていなかったから、H君はそうした気配には全く気づかなかったのだろう。

 

結局何年かしてH君は都内へ引越しをした。T君も引越しを手伝い、荷物を運んだ後はそのまま新居に一緒に泊まることになった。

 

引越しの疲れもあり早々に眠ってしまったが、夜中にT君はふと目が覚めてしまった。すると、アパートの三階なのに窓から覗き込む様にこちらを見ている視線を感じた。前の家でも何度か感じた、あの気配だ。

 

ついてきてしまっていたのだ。

 

翌朝、早々にH君の家を後にしたT君は、その後はH君の家には遊びに行かなくなったそうだ。

 

俺「H君に教えてあげなかったの?」

 

T君「いやー、言えなかったな。Hは全然気づいてなかったし。」

 

俺「まぁでも害はないんでしょ?見てるだけな感じ?」

 

T君「んー...まあHは今でも元気だけどさ。

 

家には近寄りたくはなかったな。

 

俺が帰る時にはもう

 

 

部屋に入ってきちゃってたから。

 

 

 

帰る時に外から部屋の窓みたらさ。

 

 

部屋の中からジッとこっちを見てたの。

 

 

 

ジッ...とね。

 

 

 

もう慌てて目を逸らしたよね。

 

 

 

目を合わせると危ないんだ。

 

 

見えてる、気づいてると思ってついてきちゃうから。」

 

俺「こわ!」

 

T君「目が合っちゃったパターンの怖い話もあるよ。」

 

俺「マジで?やばくね?」

 

T君「いやーあれは本当に危なかった。この前、明け方に24時間やってる銭湯に行ったんだけどさ。」

 

俺「ほうほう...」

 

T君「服脱いでロッカーキーを足首につけて風呂に入ったら...

 

 

もうめちゃくちゃいっぱいいるんだよ。」

 

 

 

俺「霊が?」

 

 

 

T君「いや....ゲイが」

 

 

 

俺「ゲイが!?」

 

 

 

T君の話をまとめるとこうだ。遊んでいて、たまたま明け方に24時間営業している銭湯に行ったらそこはどうやら秘密の男の花園だったそうだ。

 

異常に混雑した明け方の銭湯にひしめく裸の男達が、新たに入ってきたT君の股間に刺す様な視線を送ってくる。サウナからは呻く様な声が聞こえてきた。

 

ゲイではない人でも「ゲイに好かれやすい」人と言うのは存在するとのことだった。そう言う人は迂闊にゲイスポットなんかに行くとゲイを連れて帰ってきてしまう事もあるらしい。イタズラにゲイスポットに近寄ってはいけないと言うのは、こう言う事がよく起こり得るからだとT君に教えてもらった。

 

 

 

T君「目を合わせると危ないんだ。見えてる、気づいてると思ってついてきちゃうから。」

 

 

 

見えない幽霊より断然、見えているゲイの方が怖いと思った。そんな平成最後の夏でした。

 

 

アーーーーーッ!