おみこしの窓 〜バンドのあれこれ〜

音楽、バンドに関する様々なアレコレを書いています

自称音楽通の倒し方

インターネットやSNSが定着した現代、音楽は個人で楽しむのではなく他人と情報をシェアし、みんなで楽しむものへと変わってきた。

 

こうした時代が出来あがったのは音楽ストリーミングサービスやTwitterInstagram等のSNSYouTubeの存在が大きいのだと思う。CDを貸し借りしていた時代と比べると、現代は音楽を手軽にシェアできる手段が格段に増えている。

 

便利な世の中になったなぁと素直に感じると共に、便利な時代の弊害として世に蔓延る「自称音楽通」との戦いは激化の一途を辿ってしまっていると言わざるを得ない。

 

自称音楽通とは何か?端的に言ってしまえば音楽に精通しているフリをして如何に毎年沢山のフェスに行っているかを聞いてもいないのに報告してきたり、iPodに入っている曲の数で会話のマウンティングを取ろうとしてくる輩の事を指す。つまり、音楽の知識をひけらかして如何に自分が優位な存在であるかをアピールし続ける人の事である。

 

現代では約30人に1人の割合でこの自称音楽通がいると言われている。道を歩けば自称音楽通に当たる。はぐれメタルより全然、自称音楽通を見つけることの方が容易になっているのが現代だ。

 

今日はそんな自称音楽通の被害事例を紹介すると共に、傾向の考察から正しい倒し方までをレクチャーして行きたいと思う。題して「自称音楽通の殺し方」だ。

 

夏になるとセミと一緒に増えてくるのはフェスに行ってきた自称音楽通だ。彼らのフェス話は「今年のロッキンは熱かった」から始まり、「ドコドコのバンドのMCがマジ面白かった」に続き、「ドコドコのバンドで泣いた」で締めくくられる。

 

これは別に一緒にフェスに行ってきた人達と共有する分には何の問題もない。フェスを共にした者同士で熱く語り合うのはむしろ自然な行為だし、存分に語っていいと思う。

 

問題なのはフェスの熱量をそのまま公共の場に持ち込んでしまう所にある。そしてその熱量をフェスに行っていない人にも強要するのが頂けない。

 

フェスに行っていないのに同じ熱量でライブを語るのは土台無理な話なのに、こちらの反応が芳しくないと「わかってないなぁ」とか「フェス行かないなんて勿体ないよ?」と言ってくる。私がサイヤ人ならこの言葉できっとスーパーサイヤ人になっている。

 

見ていないライブを見てきた人と同じ熱量で話すのがどれだけ難しいかを自称音楽通はわかっていない。どれだけ熱い熱いと連呼されてもその熱さがそのまま伝わる訳がない。これは音楽より石焼ビビンバに話を置き換えるとわかりやすい。

 

例えば私が近所にある定食屋さんで石焼ビビンバを食べたとする。

 

そしてそこで食べた石焼ビビンバの石鍋がマジで尋常じゃない位に熱かったとしよう。

 

こんなに熱い石焼ビビンバの石鍋を見たのは生まれて初めてだったと言う体験を他人に話したとして、その石鍋の熱さのヤバさは絶対に相手に伝わらない。仮に相手が石焼ビビンバが好きでも、自分が食べていない石焼ビビンバの石鍋の熱さにまで興味は持たない。どれだけ一生懸命石焼ビビンバの石鍋が熱かったって話したって相手は「へぇー」以上の感想を抱くことは難しい。つまり、音楽やバンドが好きでも自分が行っていないライブの話にはそこまで熱量をあげられない。と言う事が言いたい。(石焼ビビンバの話わかりづらいね。

 

しかし、この「その話題、そんなにこっちは興味ないよ?」と言う空気に自称音楽通は気付いてくれない。こちらが興味を持っているかどうかは二の次なのだから当然だ。

 

自称音楽通はもう如何に自分が音楽に精通しまくっているかを話し続けたいだけなのだから、適当に相槌を打っているだけではいつまでも一方的にフェスの話をされる。フェスに行かないことがどれだけ人生を損しているかを熱弁され続ける。そしてもっと音楽を聞いた方が良いと諭され続ける。マウンティングだ。

 

こうした不慮の事故に対する対策として今回私が提案したいのは「殴られたら殴り返す」と言うシンプルかつ革新的な手法だ。いつまでも自称音楽通を野放しにしてはいけない。会話で殴られたら会話で殴り返すべきだ。

 

つまり自分が興味のない通な話をされたら、相手が興味がないであろう通の話を全力でぶつけかえすのが良いんじゃないかなと私は思う。

 

具体的には自称音楽通が「この前ロッキンに行ってきてさ!」とジャブを繰り出してきたら「俺はその日は落語を見に行っててさ!」と渾身の右でカウンターを放つのがベター。

 

もちろん、この程度では自称音楽通は折れたりしない。すぐに「落語よりロッキンの方が楽しいよ!」とマウンティング仕返してくるに違いない。そして狂ったように「ホルモンがホルモンが」と話し始める。しかし、安心して欲しい。相手が折れないのならば折れるまで殴り返せばいい。いつだって答えはシンプルだ。

 

俺「ホルモンかー!良いね!落語の方は三遊亭とん馬が出ててさ!めっちゃ面白かったよ!」

 

自称音楽通「へぇー!そうなんだ!ちょっとわからないな!!あ!ロッキンのタイスケ見る?今年は本当熱くてさ!」

 

俺「えー!知らないの??遅れてるなー。損してるよそれ?あ!落語のタイスケも見る?いやーこの日のタイスケ本当熱くてさ!三遊亭とん馬からの桂小文治は見逃せないよね!」

 

自称音楽通「ほら!このロッキンのタイスケ見てよ!もう何処から見ようか悩んじゃってさ。キミならどうやって周る?俺はまずポルカ見てそれから10-FEET見て、アジカンも良かったなー。」

 

俺「こっちもこの日は古今亭菊千代さんかでててさ!まあ落語だけじゃなくて漫談や紙切りとかもちゃんと見たんだけどね。講談も結構良かったなー。」

 

自称音楽通「いやー本当ポルカのセトリが熱くてさ。人魚からのテレキャスターストライプはテンション上がったわ。生で聞くと違うよね。ポルカ聞いてないとか本当にわかだよなあああああ!!」

 

俺「ほんと、やっぱり落語は寿限無が熱くてさー!生で聞くと違うよね!寿限無の名前全部言える??いやもうこれは一般常識だけどね。寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子パイポ パイポ パイポシューリンガンシューリンガングーリンダイ グーリンダイポンポコピーポンポコナーの長久命の長すけえええええええええええ!これ言えないとかヤベェにわかだからああああああ!」

 

お互いがお互いの土俵でマウンティングを取り合うノーガードの殴り合い。

 

PRIDEで言う所のドン・フライ vs 高山。

 

K-1で言う所のマーク・ハント vs レイ・セフォー

 

ヒーローアカデミアで言う所のオールマイト vs オールフォーワン。

 

こんな具合で心ゆくまでお互いがお互いを全力で殴り合えば良いと思う。そして存分に殴り合った後は健闘を讃えあって握手をすれば、お互いがお互いを全く何にも分かり合えていなくたってもう仲良しだ。

 

最後に補足しておくけど、個人的にはあんまりフェスには行かないが、たまに行くと私も自称音楽通へと変貌して「サカナがーサカナがー」と呻き始める事がある。そんな私を見かけた時はぜひ全力で殴ってあげてください。フェスってやっぱり楽しいよね。