おみこしの窓 〜バンドのあれこれ〜

音楽、バンドに関する様々なアレコレを書いています

「なんでも良いよ」って言うのはつまりナンでも良いって事でしょう

「何食べたい?」


この問いに対し「なんでも良いよ」と返してくる人に少し引っかかりを覚える。多くの場合、この「なんでも良い」は「なんでも良くはない」と言う相反するニュアンスを内包しているからだ。


例えばこちらが「じゃあイタリアンにしようか」とか「中華とかどうだろう?」と提案しても「パスタは昨日食べた」だとか「中華って気分じゃない」だとか、一丁前に異議だけはしっかり申し立ててくる。こう言う人がちょっぴり苦手という事だ。

 

しかし最近この「なんでも」や「なんだって」とかフワッとした返しに対する唯一無二の対応方法がある事に気がついた。自身の頭の中である言葉に変換する事により全てが解決する。

 

ナンだ。

 

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全てのフワッとした返しはナンにより解決する。今日はそんな話をしていこう。

 

例えばあなたが彼女とデートに行った際、ご飯を食べに行く時にはきっと「何が食べたい?」と聞く事だろう。

 

彼女は「なんでも良いよ」と返してくる。その際、頭の中でこの返答をナンに変換してみよう。

 

するとどうだろう。彼女のフワッとした返答は「ナンでも良いよ」と言う確固たる意志を持った言葉へと変貌する。

 

ナンでも良いよと言ってくるならばこれはもう既にイタリアンにするとか中華にするとかまどろっこしいやり取りはすっ飛ばしてカレー屋に行くのは前提だけどライスでも良いしナンでも良いよ。と言う確固たる意志を持った言葉へと昇華される。あなたは迷わずにカレー屋を探せば良い。

 

しかしこの「ナン変換理論」はやり過ぎると大変な事になるから気をつけてほしい。あなたが思っている以上に世の中はあらゆる場面にナンが溢れている。例えばどんな状況かを簡単に紹介していこう。

 

例えばあなたは結局、カレー屋ではなくイタリアンの店に入ったとする。席に座り、おしぼりで手を拭いていると彼女がメニューを見ながら1人呟く。

 

 

 

 

女性「なんにしようかー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナンにしようかな...だと...。

 

ナンにしようかな。これはつまり色々メニューがあって悩んじゃうけど今日はナンの気分だからナンにしようかなと言うニュアンスを孕む。

 

あなたは店の看板を確認する。間違いなくイタリアンだ。しかし彼女はメニューを見ながら既に「ナン」を頼むつもりでいる。あるのか...果たしてイタリアンにナンが...。

 

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ある訳がない。ナンなんてカレー屋でしか見たことがない。しかし、隠れている可能性も否定はできない。イタリアンのこの長ったらしいメニュー名の何処かにナンが隠れているとしたら....どれだ...。

 

あなたは血眼になってメニューからナンを探す。パスタ。ピザ。アヒージョ。サラダ。どこにもナンの気配はない。

 

すると女性がメニューにあるリングイネを指差し「これなんだろうね」と言った。

 

 

 

 

 

これナンだろうね...だと...。

 

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リングイネを指差してこれナンだろうね。これはつまりリングイネと言うメニューが一体どんな料理かイマイチわかってはいないけど恐らくこれはナンだろうねと言うニュアンスを孕む。

 

リングイネはパスタだと思っていたが...ここまで堂々とこれは恐らくナンだろうねと断定されてしまうと自分の方が間違っている様な気がしてしまう。

 

あなたは震える声で「これナンだと思う?」と聞き返す。彼女は首を傾げながら少々考え込んで「えー。なんだろう。」と答えた。

 

 

 

ナンだろう。

 

 

「ナンだろう」と言う事はつまりリングイネはナンではない可能性もあるがそれは非常に少ない可能性なのでほとんほど無視して良く、ほぼ間違いなくリングイネはナンだろうと言うニュアンスを孕む。

 

ナンだった。

 

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ずっとパスタだと思っていたリングイネはナンだった。

 

ナンてこった。

 

あなたの中のナンに対する考えが歪んでいく。

 

確かめなければいけない。そう思っていると店員さんがテーブルに寄ってきて「ご注文なんになさいますか?」と訪ねてきた。

 

 

ナンになさいますか?...だと...。

 

ナンになさいますか。これはつまり当店には様々なメニューがございますが中でも一押しはナンなのでご注文はナンになさいますか?と言うニュアンスを孕む。

 

あなたは再度店の看板を確認する。間違いなくイタリアンだ。しかし店員はナンになさいますか?と聞いてくる。なんだ?バケットの代わりにナンが出てくるのか?最近のイタリアンはそう言うテイストなのか?あなたの中にあるイタリアンの概念が音を立てて崩れる。

 

リングイネを2つ」と震える声で頼んだ。果たして本当にナンが出てくるのか...あなたは気が気でならない。

 

注文を終えた後、彼女が話を切り出した。

 

彼女「この前誕生日だったでしょ?」

 

言われて思い出す。確かにこの前誕生日を迎えた。

 

彼女はカバンからリボンの巻かれた箱を取り出した。

 

彼女「ジャーン!サプライズプレゼント!あげるね!」

 

あなた「あ...ありがとう。」

 

彼女「ビックリした?」

 

あなた「うん。ビックリした。開けても良い?」

 

彼女「あ!ちょっと待って!

 

 

せっかくだから中身を当てて見てよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだと思う?」

 

あなたの背中に冷たいものが走る。

 

 

 

 

ナンだと思う?

だと...。

 

 

 

ナンだと思ってはいなかった。この可愛らしい小包にナンが包装されている可能性を微塵も考えていなかった。しかし彼女はニコニコしながら「この箱の中身はナンだと思う?」と聞いて来ている。ナンだと思う?と言うことはつまり察しの良いあなたはこのプレゼントの中身をナンだと思っているかもしれないけど果たして本当にナンなのかなと言う問いかけ。いや、これは挑戦だ。ナンに取り憑かれ、ナンに戸惑い、ナンにより窮地に立たされたあなたの出した答えは...!

 

 

 

 

 

 

なんて。

 

彼氏への誕生日プレゼントにナンを渡してくる彼女なんて、冷静に考えればあるわけがない。少々ナンに毒されて自分を見失っただけの話だ。さて...中身は何かな?

 

あなたはプレゼントの小包を開ける。リボンをほどき、箱を開けるとそこには可愛らしい丸い丸いナンが入っていた。

 

 

....。

 

「え...なんで?」

あなたは心底不思議そうな顔をして彼女を見る。彼女は頬杖をつきながら頬を膨らませて言う。

 

「だって...前にプレゼントはナンでも良いって言ってたじゃない。」

 

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今日はそんなナンの話でした。ナンちゃってね。