おみこしの窓 〜バンドのあれこれ〜

音楽、バンドに関する様々なアレコレを書いています

仕事に行く時間 「来ちゃった。」

仕事に行きたくない。

 

月曜日の朝とは何でこれ程までに憂鬱が迸ってしまうものなのだろうか。私は布団でゴロゴロしながら自問する。今年で30歳を迎えるわけだが、これから先も数え切れない程の月曜日の憂鬱を味わう事になるかと思うとこれが中々にやり切れない。

 

月曜日の朝は何となく、起き上がる気力が湧かない。あぁ。仕事に行きたくない。こんな月曜日の朝を迎えている人が、一体世界中に何億人いる事だろうか。もう月曜日は休日にしてしまえば良い。日本中の労働者層の心は月曜日の朝に1つになる。仕事に行きたくない。この一心だけだ。

 

私がベッドから起き上がれないでいると、突然インターホンが鳴った。こんな早朝に一体誰だ?そう訝しがりながらベッドから立ち上がり、玄関のドアを開ける。そこにはチョコンとした佇まいで「仕事に行く時間」が立っていた。

 

仕事に行く時間「来ちゃった。」

 

突然の来訪に私は面を食らった。もう...そんな時間だと言うのか。いや、まだ余裕があるはずだ。「ちょっと早過ぎやしないか?」と私は文句をつける。

 

仕事に行く時間「早め早めの行動が大切だよ!」

 

この有無を言わさぬ高圧的な態度には毎度の事ながら辟易する。言っている事が正論なだけに、余計に腹が立つのもある。こんな態度では仕事に行く気力を益々持っていかれてしまう。

 

「今日は休んじゃいたいなぁ...」と呟く。有給だって余ってるし。たまには休んだって良いじゃないか。私は玄関のドアを閉めてベッドへと戻り、布団をかぶって中にもぐりこんだ。もう少し、ゆっくりしたい。あわよくば今日は休みたい。あぁ。会社に行きたくない。有給...とっちゃおうかなぁ。

 

仕事に行く時間「ふーん、そう言う態度取っちゃうんだ?こいつがどうなってもいーのかな?」

 

そう言って仕事に行く時間はズカズカと部屋に上がり込んできた。布団から顔出してみてみると、なんと仕事に行く時間の腕には「上司の心象」が捕らえられていた。

 

私「やめろ!!上司の心象を離せ!手を出すな!」

 

思わず私は声を荒げた。人質を取るとは何たる卑劣。許せぬ外道だ。

 

仕事に行く時間「クックックッ、ならば早く出勤する準備をするのだ。月曜日に突然休んでみろ?上司の心象は見るも無残な姿になるぞ?」

 

私「くっ....!!」

 

ぐうの音もでない。悔しいが確かに奴の言うとおりだ。月曜日に急に欠勤するなんて、上司からしたら心象は最悪だ。月曜日に突然休むなんて大抵は仮病だし、何となく憂鬱だから休んじゃったんだろうなコイツ、と思われしまうのも致し方がない。実際その通りだし。

 

仕事に行く時間「何をグズグズしている。本当に手遅れになるぞ?ほら、早く服を脱いでコイツに着替えるんだ。汚ねぇ顔もさっさと洗えよ。」

 

仕事に行く時間がスーツを投げ寄越してきた。くそう。私にはもはや打つ手はないのか...このままなす術もなく...仕事に行かなければ行けないのか...!

 

当日に仕事を休む勇気「おいおい...何してんだよ相棒。俺の助けが必要か?」

 

仕事に行く時間「お...お前は....当日に仕事を休む勇気!!何故ここに!!」

 

当日に仕事を休む勇気「ふふ...あの程度で俺を止められると思ったら大間違いだぜ!さぁ相棒!かまいやしねぇ!勇気を出して上司に休むと連絡するんだ!」

 

私「当日に仕事を休む勇気...!!来てくれたんだな!!ありがとう!ありがとう!」

 

ナレーション:感謝....っ!!圧倒的感謝....っ!!あとは連絡するだけ...上司に.....っ!!果たして閃くのか....!!当日に仕事を休む最適な言い訳....!!悪魔的奇手....!!

 

私「何か!!何か良い言い訳はないか!?」

 

当日に仕事を休む勇気「うーんそうだな...風邪....とか?」

 

私「風邪....うーん風邪はマズいっしょ?仮病ですって言ってるようなもんじゃん。土日に治せよって感じだし。」

 

当日に仕事を休む勇気「そうかー...そしたらそうだな。身内が危篤とか?」

 

私「いやーそれは縁起が悪いよ。そこまでしては休みたくねぇよ。」

 

当日に仕事を休む勇気「そうかー...そうだよね...。あとはそうだなぁ...うーん...」

 

私「....。」

 

くそ。勇気だけ湧いても何の解決にもならなかった。月曜日に突然休んでも違和感のない有給の理由。これってサラリーマンの永遠のテーマだなぁ。なんて、そんな事を思う29歳の朝。