おみこしの窓 〜バンドのあれこれ〜

音楽、バンドに関する様々なアレコレを書いています

GWにせっせと養っていた英気が朝起きたら隣で死んでた

ゴールデンウィークの間にせっせと養っていた英気が朝起きたら隣で死んでいた。声をかけるが返事がない。ただの屍のようだ。

 

GWに入る前、職場のあちこちで「GWはしっかり休んで英気を養おう!」的な触れ込みがされていた。しっかり休んでしっかり働く。労働と休養のバランスが大切。全くもってその通りだと思っていた。

 

今年のGWは兎に角、楽しい予定ばかり入れてせっせと英気を養っていた。家でジッとしているよりも出かける方がストレス発散になるタイプなので、結構予定をギュウギュウに入れていた。英気も喜んでいるようだった。

 

GW最終日には英気もだいぶ大きく育っていた。明日からの仕事頑張るぞ!こんなに休んだから、しばらく仕事に精が出せるね!なんて息巻いていた。

 

しかしいざ月曜日を迎えると何だか英気に元気がない。どうしたの?と聞いてみると「今日は仕事に行きたくない」なんて英気が呟いた。マジかと。

 

いやいやそれはダメだと私は英気を叱りつけた。9日間も休んでおいて、行きたくないなんて理由で仕事は休めねえぞと。私は英気を引きずる様にして職場に向かった。

 

職場に着くと英気はようやくふんぎりがついた様で少し元気を取り戻していた。そんな英気を見て私も安心したのだが、仕事を終えた帰り道に再び英気の容体が悪くなる。久しぶりの満員電車に疲弊している様だ。息も絶え絶えに肩で呼吸している。

 

これはただ事ではないと思い、急いで英気を病院に連れて行った。問診でGWの間は元気だったが、月曜日になった途端に急に体調が悪くなった旨を伝える。医師は直ぐにピンと来たようだ。

 

この時期日本人の約9割が引き起こす流行り病「五月病」との事だった。特効薬は存在しない。私の英気も既にステージ4に達しており、手の施しようはない。今夜が山だと宣告された。

 

せめて最後は自宅で過ごしたい。そう呟いた英気を連れ、自宅に帰る。直ぐに英気を布団に寝かせ、私は英気の手を取り励ます。

 

「しっかりしろよ!次の長期休暇まで、まだしばらくあるんだぞ?お前がいないと俺は、、、」

 

英気は弱々しく笑い、カレンダーの7月16日の日付をぼうっとした顔で見ている。海の日だ。一緒に迎える事は出来なそうだねと、英気が呟く。私の目から、大粒の涙が溢れた。

 

私はどうしたら良いのかもうわからなくなっていた。GWに9日間もかけて存分に蓄えた英気が、僅か1日の平日でここまで衰弱するなんて思ってもいなかった。

 

「明日、休むか?休んで一緒に海を見に行こう。きっと元気がでる。辛かったら部屋で1日ゆっくりしても良い。そうだ。そうしよう!な?」

 

私がそう提案するが英気は目を瞑り、首を横に振る。そう言ってくれただけで満足。と、笑いかけてくる。

 

「例え私がいなくたって、仕事にはキチンと行って。自分の責任を果たして。明日も仕事があるんだから、ちゃんと早めに寝なきゃダメ。」

 

そう英気に諭され、私は泣きながら布団に入る。溢れ出る涙も、こみ上げる嗚咽も、直ぐには止まりそうにない。英気はそんな私の手を取り「またお盆休みには会えるから」と宥めてくれた。英気の手は暖かった。

 

気が付くと私は英気の手を握ったまま眠ってしまっていた。隣では英気が安らかに眠っているように見えたが、その手は既に冷たくなっていた。

 

私は再び溢れそうになる涙をグッと堪え、仕事に行く準備を始める。次の長期休暇こそ、海を見に行こう。海に行ってバーベキューをしてビールを飲めば、きっとまたちゃっかり元気になった英気に会えるはずだから。

 

「行ってきます」と横たわっている英気に声をかける。英気はもう何も言わないが、その顔は安らかに微笑んでいた。私はジャケットを羽織り、カバンを取る。長期休暇までの戦いはまだ始まったばかりだ。

 

なんて

そんなヒューマンドラマ的なやり取りが己の中で起きているGW明けのお仕事。ごっつい憂鬱です。でも大変なのはみんな一緒ですよね。皆さんも英気を大切に!