おみこしの窓 〜バンドのあれこれ〜

音楽、バンドに関する様々なアレコレを書いています

ポルノグラフィティのアゲハ蝶が1番のサビでマジでアゲハ蝶の話しかしてない事に気づいた

ヒラリ ヒラリ と舞い遊ぶ様に姿見せたアゲハ蝶 夏の夜の真ん中月の下

喜びとしてのイエロー 憂いを帯びたブルーに 世の果てに似ている漆黒の羽

 

久しぶりにポルノグラフィティを聞いてて衝撃を受けたんだけど、「アゲハ蝶」の1番のサビがマジで「アゲハ蝶」の話しかしてない事に気付いた。極限まで要約すると上記の歌詞は「夏の夜に飛んでるアゲハ蝶がいた」って話をめちゃくちゃ詩的に書いてるだけで、マジでアゲハ蝶の話しかしていないのだ。

 

僕がポルノグラフィティを聞き始めたのは中学生の頃からだ。たぶん一番最初に聞いてハマったのが「アゲハ蝶」で、当時は「サウダージ」や「アポロ」、「サボテン」とかをよく聞いていた。その頃周りの同年代はみんなポルノグラフィティが大好きだった。誰が一番アゲハ蝶で高得点を出せるかなんて競ったりもした。しかし一度も気付いたことがなかった。「アゲハ蝶」の1番のサビがマジで「アゲハ蝶」の話しかしてない事に。

 

一旦気付いてしまうと何故これまで気づかなかったのかむしろ不思議になってくる。本当にただアゲハ蝶の事だけ歌っているのに。思うにこれ、常人では理解し得ないハルイチならではの感性が詞に含まれるからではないかと思う。そう「世の果てに似ている漆黒の羽」の一文だ。

 

思った事あるだろうか?アゲハ蝶の羽の黒いところを見て「あー、世の果てみたいだな。」なんて思った事が。残念ながら僕はない。辛うじて喜びとしてのイエローと憂いを帯びたブルーまでは理解できなくもないが、世の果てに似ている漆黒の羽は無理だ。僕の中からは出てこない。世の果てなんて見たことないからだ。これが常人には超えられない壁であり、アゲハ蝶でミリオンセラーを達成したハルイチの感性なのである。そう、ハルイチは世の果てを見ている。

 

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また、当時のポルノグラフィティには更にストレートに当たり前の事をそのまま歌う曲がある。そう「アポロ」だ。引用すると

 

僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう アポロ11号は月に行ったって言うのに。

 

マジかと。こんなの社会の教科書の一文をドラマティックに言い換えて見ただけだ。これも要約すると「アポロ11号は僕らが生まれる前に月に行った」ってそんな当たり前の話をしている。

 

更に追い討ちをかけるように3回目のサビでは「僕らの生まれてくるもっともっと前にはもう アポロ計画はスタートしていたんだろう」だ。そりゃあそうだろうと。ずっとずっと前に月に到達しているんだから、計画はもっともっと前にスタートしていたに決まっている。

 

しかしライブだと観客は大盛り上がりだ。そんな事実は初めて知ったと言わんばかりに「ずっとずっと前にアポロ11号は月に行った」に歓声をあげ、「もっともっと前にアポロ計画はスタートしていた」のくだりで卒倒する。

 

こう言う見たまま、事実であった事をそのまま歌詞にしているだけなのに何故ポルノグラフィティの曲はカッコいいのか。それはやはりハルイチの書く歌詞がお洒落な詩的表現に溢れているからではないだろうか。そしてその詩的表現に挟まれると見た事をそのまま、当たり前の事をそのまま言ってるだけの歌詞がオセロでひっくり返される様にお洒落になる。

 

サボテンのAメロもよくよく聞くと恋人がサボテンに溢れるくらい水をあげてるなんてそんなありふれた日常を切り取っている。しかしBメロからサビにかけてこれでもかと詩的表現を盛り込んでくるので、僕らはAメロの日常感に気づけない。サボテンに水をあげすぎている事すら特別でお洒落な行為に感じてしまう。

 

そんなハルイチのお洒落な詩的表現で個人的に一番好きなのはミュージックアワーの「君が胸を焦がすから夏が熱を帯びてく」だ。これは凄い。逆に言えば君が胸を焦がさなければ夏は熱を帯びない。今年の夏はなんだか涼しいなって思ったらそれすなわちキミが恋をしていないからだ。うーんなるほど。確かにここ数年僕も夏が涼しい。単に加齢と共に寒暖差を感じる細胞が壊死し始めたんだとばかり思っていた。

 

大人になってからあまり聞かなくなってしまい、すっかり過去の人にしてしまっていたが、最近でもなんと中高生がポルノグラフィティを聞いていると知ってビックリした。たまたまライブハウスで高校生バンドが曲をコピーしていて、声をかけてみたらやはり学校で流行っているらしいのだ。しかも結構昔の曲が。凄い。

 

思うにポルノグラフィティの曲って大人への憧れが最も強い時期に感化されやすいのではないだろうか。皆、思春期の多感な頃にハルイチの詩的表現に揉まれながら育つ。そして夏が熱を帯びる程恋をしたり、淡い夢は波にさらわれたりするのだ。ただ当てられ過ぎて「何故人を好きになるとこんなにも苦しいのでしょう?from R.N 恋するウサギちゃん」などと書いたラブレターを誰かに渡したりしてはならない。本当に大変な事になる。

 

結びになるがきっとそんな大人への登竜門がポルノグラフィティで、世代が変わってもその影響が色褪せることがない。なんだか素敵ですね。最後にこれだけは言っておくけど、サボテンは水を上げすぎるとブヨブヨになるので気をつけよう。今日はそんなお話でした。